Inspirations

img034-1a

15-06-30

yusuke yamatani “Use Before”

By
「tsugi no you e / Yuka Tsuruno Gallery」「ground / POST/limArt」で写真家として華々しいデビューを飾った山谷佑介。
その後、Kyotographieで魅せた歴史ある京町屋を活かした展示「tsugi no yoru e」や、ニューヨークのAlison Bradley Project Spaceにて個展を展開する等、国内外で精力的に活動する彼から、久しぶりに日本での個展開催を予定していると連絡が入った。
開催場所は、「ギャラリー山谷」。
Yuka Tsuruno Galleryに所属しながら、渋谷のど真ん中にある廃墟のようなビルに自身のスタジオ兼ギャラリーを立ち上げたらしい。
日本の写真業界においては、1人の写真家が自らの名前を冠してギャラリーをオープンする例を聞いたことがない。
アンダーグランウンドに根を張る彼らしいオルタナティブな試みで、山谷の作家性をより解放する実験場として機能していくだろう。今からとてもワクワクしている。

そんなギャラリー山谷の展示第一弾「Use Before」は、2008年に生産を終了したポラロイド社のポラロイドフィルムで撮影された作品で構成され、被写体は、山谷自身がドラムを務めるパンクバンド、”NEIGHBORS”のライブ会場に集うバンドマンや友人たちだ。
スタンプされている数字は、被写体となった人々それぞれの誕生日を示している。
有効期限の切れたポラロイドフィルムは、経年劣化により現像ムラや端欠け、感度の低下や上昇、カラーバランスの崩れを起こし、顔がほぼ認識出来ない程にフィルムが劣化する。

その劣化はある「ズレ」を象徴している。
山谷が十代の頃から音楽や様々な文化を通して抱いていたという、自身の嗜好と時代との「ズレ」だ。
自分がいつの時代に生きているのかがわからない、という浮遊感。 有効期限が切れたフィルムと、一見時代に取り残されたかのような若者たちの姿。
本作で山谷は、変化を続け止めることのできない時間の流れの中で、時代と個人との狭間を生きる人々を写し出すことに成功している。

アートフォトファンだけでなく、音楽やファッションを愛するファンにとっても見逃せない展示になりそうだ。
東京での展示が終わると、その同月24日から、Wolfgang Tilmansの国立国際美術館での展覧会に合わせて 大阪のGallery Pulpにて「Use Before」の巡回展が開催される。
彼の活躍から目が離せない。
yusuke yamatani official website

img011-3a

img003-1a

img001

img016