ベルリン滞在中に宿泊していたホテル近くの小道を覗くと、Grafittiだらけの廃墟ビルの中に乱雑に置かれた椅子と汚いテーブルと、近くには、手入れされていない(であろう)植物たちが好き勝手生茂ってた。
そこには、 ここで何してんだろうって人たちが、何してるか分からないことをしていて、 絶対にコーヒー売ってないだろうと思える場所で、コーヒーが買えて、 入り口が怪しくて、入ったらこわいだろうっていう場所に、バーへの入り口があって、 こんなところで映画観ないだろうと思える場所に、ミニシアターがあって、 ミニシアターの入り口近くの路地を通り抜けたスペースに絶対に映画を観れる場所なんてつくらないだろうというところに、 屋外映画鑑賞スペースをつくっていて、誰も観ないであろう場所に、次々、流れる映画の告知文書を貼っていた。
この訳の分からないコンセプトに、訳分からないまま魅了されていた。
俺が把握していないだけで、これがコンセプトなのかもしれないし、 俺が把握できないようなハイエンドなコンセプトがあるのかもしれないし、 全くコンセプトなんてものを考えず、昔住み着いた住人たちがただ好き勝手おもしろいことをやって、 俺みたいに、ここに魅力を感じた人たちが集まってきて、このよくわからないところが出来たのかもしれないね。
これを機に、この場所をお金稼ぎの上手な人が目をつけて、 この訳の分からない場所を、分かりやすく、道行く人に伝えようとする日がこないことを願いたい。